考え方、研究法、発想法の本

考え方、研究法、発想法などに関した、いわゆるHow to 本などの実用書は、内容が似かよっていて、読む必要はないと書いている人もいます。確かに、研究やものの考え方に関するHow to本は、最初のうちは「なるほど」と思えることが多いのですが、ある程度読んでいくと、新しい知見を得にくくなる時がやってきます。しかし、だからといって、How to本を読むことが無駄だとは思いません。幾つかのそうした本を読んで、やっぱりみんなが考えることや、最終的に重要なことは、一緒なんだということを知ることも、重要だと考えています。
そうした意味で、こうしたHow to本を、数多く読むこともお勧めします。

「考える力」をつける本―新聞・本の読み方から発想の技術まで

轡田 隆史
三笠書房, 1997
研究やものの考え方に関する、いわゆるHow to本を読み漁る(というほど読んでないかもしれないが…)きっかけとなった本です。
雨が降り出しそうな神田の古本市で、200円で買ったのを鮮明に覚えています。
改めてページをめくってみても、本の読み方や説明のしかた、ものの考え方に関して、この本から多くの影響を受けているなぁ、と思います。
例えば、
本を読んでいてメモをしたい部分があるときは、その部分がページの前半ならばページの上端、後半ならば下端を折っておく。こうすると読書のリズムを崩すこともないし、読み返したときに検索がしやすい。
「なぜ?」と問いかけ続けることによって、「考え」の本質が現れてくる。
などなど…。この本は、多くのページの端が折られて、さらに黄色のマーカーがひかれています。社会人として、研究者としての基礎を教えてくれた本です。
知的生活の方法 (講談社現代新書 436)

渡部 昇一
講談社, 1976
なんと1976(昭和51)年初版のベストセラー新書。手元にあるのはクリーム色の本ですが、いつの間にか、講談社の現代新書は白と青のシンプルな表紙になっていました。
轡田さんの後は、渡部昇一氏にはまりました。
この本から学んだことは、本は買って手元に置いておく、ということでした。
それまでは、タダで本を貸してくれる図書館は、なんてすごいんだろう、と思って、休日には必ず図書館で本を借りていました。しかし、この本では、本を買ってて元においておくことの重要性が約20ページにわたって書かれているのです。それ以来、できるだけ参考文献などを買うようになりました。
深夜に論文を書いているとき、手元に参考文献があることの重要性を肌で感じ、研究室に本を積んでおくことも、まんざらかっこつけだけではないことを知りました。
理科系の作文技術 (中公新書 624)

木下 是雄
中央公論新社, 1981
1981(昭和56)年初版。ブックオフの100円コーナーに必ずある大ベストセラー。30年間読まれ続けているだけあって、「目標規定文」「逆茂木型の文」などちょっと古い表現があったりしますが、「事実と意見の区別」「格の正しい文」など、文を書く基本を教えてくれます。
また、「コロン(:)」などの区切り記号や校正記号の意味や使い方にも言及されているため、論文や査読の時に、辞書のように使っています。
院生に必ず購入を勧める名著です。