下井班と下井が担当する講義について

このページでは、下井がアドバイザーを務める「下井班」と下井が担当する講義の特徴をご紹介します

「下井班」の指導内容

下井がアドバイザーをつとめる「下井班」では、通常受講する講義の他に、次のような講義を行っています。

1. 模擬患者演習「下井テスト」の実施

理学療法の養成機関では、各学年毎に実習があります。国際医療福祉大学理学療法学科も同様で、各学年毎に実習を行います(図1)。

図1 国際医療福祉大学理学療法学科における臨床実習

この実習の中で、2年生の「検査・測定実習」が実際の臨床現場で、患者・対象者様の時間をいただいて行う最初の実習となります。
ですので、臨床現場や患者・対象者様にご迷惑とならないよう、可能な限り学内で知識と技術を高め、さらに統合した上で臨床現場での実習に望まなければなりません。
そこで下井班では、検査・測定実習前の2年生を対象として、一連の講義に加えて、上級生を模擬患者(simulated patient; SP)とした演習「下井テスト」を年2回実施しています。そして「下井テスト」の後に検査・測定実習をおこなうことで、よりスムーズに効果的な実習ができるようにしています。また、下井テストは、2年生が対象のテストですが、同時に、上級生である3・4年生の学習機会でもあります。実際に模擬患者として患者役を体験してみると、なにげなくしていた検査の説明や、ちょっとした誘導、セラピストの体の使い方・立ち位置などが気になったりするものです。こうしたことから、模擬患者を通して、患者・対象者の方の感覚や気持ちを理解することは、臨床実習などに有意義であると考えています。
模擬患者の上級生に対して、
検査を実施します
テストの後に、上級生から
フィードバックをもらい、
さらに検査技術を向上させます

2. プレゼンテーション能力の強化

プレゼンテーションというと、学会発表など、研究者に必要な技術と思われがちです。しかし、プレゼンテーション能力は、臨床家である理学療法士にとっても重要な技術なのです。
理学療法士として担当となった患者・対象者様の方に、突然、「歩行練習をしましょう」と言っても、多くの患者・対象者の方は歩行練習をしてくれるでしょう。しかし、理学療法士がどう考え、どういう目的でリハビリテーションをしようとしているのかを相手に説明することで、リハビリテーションの効果は高まります。練習の場合だけではなく、何のために、どのような検査を行うかを説明することは、検査の信頼性を高めることにつながります。
また、自分が伝えたい内容を限られた時間で報告できるように、まとめることは、非常に難しい作業です。自分が伝えたいことの優先順位を考え、伝わりやすい内容に吟味するという過程を通じて、自分の考えを客観的にとらえることもできるようになります。
つまり、プレゼンテーション能力は、リハビリテーション技術の1つでもあるのです。このため、下井班では、実習の報告会や、勉強会など、機会があるごとに学生にプレゼンテーションをしてもらうことにしています。
3・4年生の評価・総合臨床実習後には、
大学で症例発表をおこないます
学生のプレゼンテーションに対して、
下井や学生からの質疑応答をします

学部講義の特徴

下井が担当する学部の講義では、次のような講義を行っています。

1. 「協同学習」形式の講義の導入

下井が担当している講義の多くで、「協同学習」形式を導入しています。
協同学習とは、講義の学習過程で得られる「認知的目標」に加え、ディスカッションなどで得られる人間関係の形成などの「態度的目標」も学習目標とした学習体制です。
特に基礎科目を修得した3年生の専門科目で実施し、理学療法に対する考え方の幅を広げ、応用力を習得することを目標として、「協同学習」形式を講義に導入しています。
教員が提示した議題について
少人数のディスカッションをし、
他の意見を聞いたり、
まとめたりすることで、
人間関係を形成していきます

2. 大田原市との協働による介護予防事業の実践

従来の理学療法やリハビリテーションは、治療医学に対して、「第3の医学」「3次予防」と呼ばれています。すでに疾患や障害を有した方が、リハビリテーションの主な対象でした。しかし近年、リハビリテーションの範囲は、介護予防やメタボリック対策など、疾患や障害を予防するという「1次予防」へと拡大しています。(図)このため、理学療法分野では、第1次予防の対象者である、比較的活動的な高齢者への理学療法の効果や評価方法の確立が急務となっています。
予防医学とリハビリテーション
国際医療福祉大学、下井研究室では、大学がある栃木県大田原市と協働して、市内在住の高齢者に対する介護予防に取り組むと共に、その効果や評価方法について研究しています。また、得られた研究結果から、大田原市の体力指標を作成し、介護予防事業に実際に活用してもらってもいます。
1次予防は、理学療法では、まだ発展途上の新しい分野です。こうした新しい理学療法の分野を、肌で体験できることも、国際医療福祉大学理学療法学科の教育の特徴の1つです。
地元の公民館で、地域の人に運動の大切さや、
実践方法を教えることも理学療法士としての重要な仕事です
大田原市の広報誌(H18.2.15)でも紹介されました
(画像をクリックすると拡大します)

3. 「関連職種連携実習」の実施

平成17年度より国際医療福祉大学では、病院、老人保健施設、特別養護老人ホーム、介護保険系在宅サービスなどの大学関連施設で、多職種連携教育(Inter-Professional Education; IPE)の一環として「関連職種連携実習」を開始しました。医療保健福祉の3学部9学科の各学科から1名、計9名の学生が1つのチームを作って、各実習施設の見学、同行、実践を通じて、最終的には対象者の方のサービス計画を作成します。

平成18〜20年までは、下井が兼務する、介護保険の在宅系サービス事業所である「にしなすの総合在宅ケアセンター」でも、この関連職種連携実習を行っています。通所サービスや訪問サービスなどの介護保険サービスを対象者の方に利用していただくに当たっては、ケア・マネージャーといわれるコーディネータを中心とした、多職種・多サービスの連携が必須です。ですので、「にしなすの総合在宅ケアセンター」での関連職種連携実習は、在宅系サービス提供の過程を、直接的且つ具体的に体験できる演習と考えています。

平成21年度は、独立行政法人国立病院機構宇都宮病院の担当教員として、「関連職種連携実習」を同行・指導してきました。
また、第2回日本保健医療福祉連携教育学会学術集会(於:千葉大学 酒井郁子大会長)の学生参加型の分科会「出会い・結び・学びあう -IP学習の学生からみた成果-」で発表もしてきました(詳細はこちらで報告しています)。発表用抄録とスライドは下にあります。
関連職種連携実習では、
各学科の学生が意見を出し合いながら、
1人の対象者の方のケア・プランを作っていきます
作成したケア・プランや
学習成果について発表します
  実習が終わった後でも
チーム行動は継続します
 
第2回日本保健医療福祉連携教育学会学術集会 分科会T
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下井の講義の授業評価

ただいま集計中